「首輪とハーネス、結局どっちを選べばいいの?」
犬を迎えたばかりの方や買い替えを考えている方なら、一度は悩むのではないでしょうか。
この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットを、動物の体への負担や安全性の観点も交えながらわかりやすく解説します。愛犬に合った選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
首輪とハーネス、どっちがおすすめ?
| 首輪 | ハーネス | |
|---|---|---|
| 首・気管への負担 | △ | ◯ |
| 引っ張る犬との相性 | △ | ◯※ |
| 着脱のしやすさ | ◎ | △ |
| 合図の伝えやすさ | ◎ | ○ |
※ハーネスの形状によっては、抜けやすいものもあります。
首輪とハーネスは特徴が異なり、どちらがいいと一概に言うことはできません。愛犬の性格や体格、使用する目的に合わせて選ぶことが大切です。
それぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
首輪のメリットとデメリット
メリット
- 飼い主の合図を伝えやすい
- 着脱が簡単
- 犬鑑札や迷子札をつけやすい
1つ目のメリットは、飼い主の合図を伝えやすいことです。
首輪はリードを通して首に力が伝わるため、方向転換や立ち止まるタイミングなどの合図を出しやすいという特徴があります。そのため、トレーニングの場面で首輪が使用されることも少なくありません。ただし、犬を引っ張って動きを制御するのではなく、ご褒美を使ったトレーニングや適切なリードワークを行うことが大切です。
2つ目のメリットは、着脱が簡単なことです。
首輪は基本的に、1箇所のバックルやベルトを調整するだけで装着が完了します。足を持ち上げたり、複数箇所を調整する必要がないため、飼い主にとっても犬にとっても負担が少なく装着することができます。
3つ目のメリットは、犬鑑札や迷子札をつけやすいことです。
首輪には迷子札や犬鑑札を付けられるため、万が一脱走した際に身元を確認しやすくなります。特に地震などの災害時は、驚いた犬が逃げ出してしまうケースもあります。首輪をつけているときに脱走するとも限りませんが、留守番時に首輪を付けておくことは、万が一に備える対策の一つでもあります。
なお、首輪を着けっぱなしにすることは、毛玉や皮膚トラブルの観点から推奨されていません。長時間のつけっぱなしは避け、定期的に首回りの皮膚の状態を確認し、ブラッシングを行いましょう。
デメリット
- 首や気管に負担がかかりやすい
- 体型によっては抜けやすい
1つ目のデメリットは、首や気管に負担がかかりやすいことです。
散歩中に飼い主の横を上手に歩くことができ、常にリードが緩んでいるわんちゃんではあまり問題ありません。しかし、引っ張り癖がある子の場合はリードが張った状態となり、首や気管に負担がかかりやすくなります。
特に注意したいのが、気管虚脱になりやすい小型犬です。気管虚脱とは、空気の通り道である気管がつぶれて狭くなり、咳や呼吸困難などの症状が現れる病気です。気管虚脱は複数の要因が絡む病気ですが、首輪で強い力が繰り返しかかると気管に負担がかかり、症状を悪化させる可能性があります。
気管虚脱を患っている犬や、気管虚脱になりやすい犬種、引っ張り癖のある犬では、首に負担をかけにくいハーネスが推奨されます。 トイプードルやポメラニアン、ヨークシャーテリア、チワワなどの小型犬は、気管虚脱になりやすい犬種として知られています。
2つ目のデメリットは、抜けやすいことです。
犬が急に後ずさりしたり、驚いて暴れたりした際に抜けてしまうことがあります。特に、柴犬などの頭と首の太さの差が少ない犬種では、首輪が頭をすり抜けやすいため注意が必要です。
また、小型犬でもサイズが合っていない首輪では抜けるリスクがあります。ハーネスにも同様のことが言えますが、愛犬の安全のためにも、適切なサイズに調整は怠らないようにしましょう。
ハーネスのメリットとデメリット
メリット
- 首・気管への負担を軽減できる
- 引っ張りによる身体への負担を分散できる
1つ目のメリットは、首や気管への負担を軽減できることです。
首輪は引っ張った力が首に集中しますが、ハーネスは胸や肩など体全体で力を受け止める構造のため、負荷を分散できます。そのため、気管虚脱などの既往歴がある犬や、首・気管への負担を避けたい犬にも適しています。
2つ目のメリットは、引っ張りによる身体への負担を分散できることです。
同様の理由で、引っ張り癖がある犬でも、引っ張りによる身体への負担を分散させることができます。
デメリット
- 着脱にやや時間がかかる
- 種類やサイズ選びが難しい
1つ目のデメリットは、首輪に比べて着脱にやや時間がかかることです。
前足を通すタイプやバックルが複数あるタイプでは、装着に慣れるまで時間がかかるものもあります。また、足を触られることが苦手な犬では、装着を嫌がる場合もあります。
しかし、最近では頭を通してバックルを留めるだけのタイプなど、着脱しやすい製品も増えています。愛犬の性格や飼い主の使いやすさも考慮して選ぶとよいでしょう。
2つ目のデメリットは、種類やサイズ選びが難しいことです。
ハーネスにはY型やH型、ベスト型などさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。犬の体格や動きに合わないものを選ぶと、肩の動きを妨げたり、擦れて皮膚トラブルの原因になったり、散歩中に抜けてしまったりすることがあります。
また、愛犬にあったサイズを選ぶためには、首回りだけでなく胸囲も測る必要があります。ハーネスは体にフィットしていないと抜けてしまう恐れが高まります。「○kgだからMサイズ」と選ぶのは避け、メジャーで測るか、実際に試着してサイズを選ぶことが大切です。
抜けにくく身体への負担が少ないハーネスの選び方とおすすめはこちらの記事で解説しています。ぜひ参考にしてください↓↓

こんな犬には首輪がおすすめ
引っ張らずに落ち着いて歩ける
散歩中にリードが常に緩んでおり、飼い主の横を歩ける犬であれば、首輪による首への負担は比較的少なく使用できます。また、ハーネスに比べて着脱が簡単で、犬の体に触れる範囲も少ないため、首輪を好む犬もいます。
身元を明示したい
首輪は、迷子札や犬鑑札を常に装着しやすいといメリットがあります。災害や不意の脱走など、万が一の状況では、身元が確認できるものを身につけていることが再会につながる可能性があります。
現在は多くの犬にマイクロチップの装着が進んでいるため必要ないと思われる方もいるかもしれませんが、マイクロチップの読み取りには専用の読み取り機が必要です。一方で首輪に迷子札等がついていれば、見つけた人がすぐに連絡することができます。
そのため、迷子札などを付けておくことは、脱走時に早く飼い主の元へ戻るための有効な対策の一つです。
こんな犬にはハーネスがおすすめ
引っ張り癖がある
引っ張り癖があるわんちゃんは、首輪による首や気管への負荷がかかりやすくなります。負荷を分散できるハーネスの使用がおすすめです。ただし、ハーネスに替えるだけで引っ張りが改善するわけではありません。落ち着いて安全にお散歩するために、トレーニングを行うことも大切です。
小型犬
トイプードルやポメラニアン、ヨークシャーテリア、チワワなどの小型犬は、気管虚脱になりやすい犬種として知られています。気管虚脱は遺伝的な要因や加齢など、さまざまな原因が関係しています。ハーネスを使用したからといって発症を完全に防げるわけではありません。しかし、気管虚脱を患っている犬や、気管への負担を減らしたい小型犬では、首に力がかかりにくいハーネスが選ばれることがあります。
短頭種
フレンチ・ブルドッグ、パグ、シーズーなどの短頭種も、ハーネスが適している犬種の一つです。短頭種は鼻が短い体の構造からもともと気道が狭く、呼吸器への負担がかかりやすい特徴があります。首周辺に圧迫が加わると呼吸が苦しくなる場合があるため、胸で支えるハーネスを使用することで、首への負担を軽減することに繋がります。
首輪とハーネスの併用もおすすめ
ここまで首輪とハーネスの違いについて解説してきましたが、どちらか一方に決める必要はありません。目的に合わせて併用する方法もおすすめです。
例えば、普段の生活では首輪に迷子札を付け、散歩ではハーネスを使用することで、それぞれのメリットを活かすことができます。なお、抜けることが心配な犬では、首輪とハーネスを同時に使用するダブルリードという方法もあります。特に怖がりな犬や脱走リスクが高い犬では、安全対策の一つとして検討してもいいかもしれません。
ハーネスや首輪を併用する予定がある場合は、子犬のうちから両方に慣らしておくことをおすすめします。
子犬の社会化期は、新しい物や環境を受け入れやすい時期です。この時期に短時間から首輪やハーネスを着ける練習をしておくと、成犬になってからも受け入れやすくなる可能性が高まります。
わが家の愛犬は子犬の頃からハーネスしか使っていなかったため、2歳頃で初めて首輪を着けたときに、とても嫌がってしまいました。現在は散歩ではハーネスを使用していますが、場合によって首輪と使い分けるためにも、子犬の頃から首輪に慣らしておけばよかったと感じています。
まとめ
首輪とハーネスには、それぞれメリットとデメリットがあります。
首輪は、装着が簡単で飼い主の合図も伝わりやすく、散歩中に落ち着いて歩ける犬では使いやすいアイテムです。一方で、引っ張り癖がある犬や、首や気管への負担が気になる犬では注意が必要です。
ハーネスは、胸や肩で力を受け止めるため、首や気管への負担を軽減しやすいというメリットがあります。特に、引っ張り癖がある犬、小型犬、呼吸器への負担が心配な犬では選択肢の一つになります。
愛犬の性格や体型を考慮し、使用する目的に合わせて選ぶことが大切です。
首輪とハーネスを時と場合によって併用することで、両方のメリットを活かした使い方もできます。愛犬が毎日の散歩を安全で快適に楽しめるように、生活スタイルに合ったものを選んでみましょう。

